2009.01.01 Thursday
謹賀新年☆
新年、明けましておめでとうございます。
旧年中は、大した更新もない拙サイトを忘れ去る事なくお運びいただきまして、誠にありがとうございました。
本年も、よろしくお願い申し上げます(^-^)
さて、そんな2009年初懺悔の気持ちを込めまして、現在、執筆中の『奴隷 I 種』第49話の冒頭部分を、ブログにて先行掲載したいと思います。
*****************************************
フラウ城は、異様なまでの静寂に包まれていた。
現皇太子、アグディル・ノースが危篤状態の今、夜毎の晩餐会を始め、ありとあらゆる宮廷行事が自粛されているという。
峠は、今夜――。
そんな噂が囁かれる中、サイファ達一行は都に帰り着いた。
「お帰りなさいませ、ユウザ様!」
城内に入ると、帝都防衛隊長のナザル・ベークが、ユウザに抱きつかんばかりの勢いで出迎えた。
「今、戻った」
しかし、当のユウザは極めてあっさり受け流すと、旅装も解かぬまま、謁見の間へと向かった。本音としては、真っ先に父親の元に駆けつけたいところであろうに……。
そんなユウザの勤勉さに微かな憐れみを覚えながら、サイファも続いた。
後には、意気揚々と出迎えた主人に袖にされ、べっこりと凹んだナザルだけが残された。
【つづく】
*****************************************
え? ダメ?
ぜんぜん足りません?
…では、お年玉がわりに、もう少しだけ。
*****************************************
「二人とも、よくぞ無事に戻って来てくれました」
今回の件で心労が絶えないのだろう。ハシリスの顔は、いつもの華やいだ溌剌さが影をひそめ、酷く憔悴して見えた。
「道中、何か変わったことはありませんでしたか?」
「いえ、特には」
ハシリスの問いに、ユウザは即答した。
余計な心配をさせたくないという配慮なのか、言う必要もないと思ったのか、二度にわたる襲撃は“変わったこと”の部類には入らないらしい。
サイファは、是非とも陛下に報告して、ユウザにも警備をつけて貰うべきではないかと思ったが、本人が黙っている事に口を出すのは躊躇われた。
「そなたも、既に承知しているとは思いますが――」
沈鬱な表情で前置きをしてから、ハシリスは今回のアグディルの事件の詳細を語った。
サイファにとっては初耳だったが、隣のユウザの顔には全く動揺の色はなかった。一足先にカレナ城へと戻ったクロエの口から、予め事のあらましを聞いていたようである。
「まずは、アグディルの様子を見に行くと良いでしょう。その後で……」
言いさして、ハシリスは改まったように姿勢を正した。折り入って、そなたに話があります、と。
「承知いたしました」
深く一礼すると、ユウザは暇を告げ、踵を返した。サイファも、慌ててお辞儀をし、彼の後を小走りで追う。
「お前は、来なくても良いぞ」
廊下を歩きながら、ユウザはこちらを振り返りもせずに言った。長旅で疲れたろう? と、気遣う言葉は忘れずに。
「そんな事ない、あたしも行く」
暗に、来るなと言われたような気がしたが、サイファは気づかぬふりをした。それに対して、ユウザは、そうか、とだけ応え、あとは無言で歩き続けた。
こうして、何度、その背中を追いかけただろう。
【つづく】
*****************************************
はい、ここまで。
いや、もう、これ以上は勘弁して下さい。
ちなみに、次回はシリアス全開のため、ラブコメ要素ゼロです。
なので、作者のテンションもかなり低め&筆が進みません(^^;
更新の目処は未だ全く立っておりませんが、本年も生暖かい目で、さほど期待せずにお待ちいただければ幸いです。
それでは、またお会いしましょう☆
本日のBGM♪
「自分勝手な夜」
LOVE GOES ON・・・ / Dreams Come True
旧年中は、大した更新もない拙サイトを忘れ去る事なくお運びいただきまして、誠にありがとうございました。
本年も、よろしくお願い申し上げます(^-^)
さて、そんな2009年初懺悔の気持ちを込めまして、現在、執筆中の『奴隷 I 種』第49話の冒頭部分を、ブログにて先行掲載したいと思います。
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フラウ城は、異様なまでの静寂に包まれていた。
現皇太子、アグディル・ノースが危篤状態の今、夜毎の晩餐会を始め、ありとあらゆる宮廷行事が自粛されているという。
峠は、今夜――。
そんな噂が囁かれる中、サイファ達一行は都に帰り着いた。
「お帰りなさいませ、ユウザ様!」
城内に入ると、帝都防衛隊長のナザル・ベークが、ユウザに抱きつかんばかりの勢いで出迎えた。
「今、戻った」
しかし、当のユウザは極めてあっさり受け流すと、旅装も解かぬまま、謁見の間へと向かった。本音としては、真っ先に父親の元に駆けつけたいところであろうに……。
そんなユウザの勤勉さに微かな憐れみを覚えながら、サイファも続いた。
後には、意気揚々と出迎えた主人に袖にされ、べっこりと凹んだナザルだけが残された。
【つづく】
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え? ダメ?
ぜんぜん足りません?
…では、お年玉がわりに、もう少しだけ。
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「二人とも、よくぞ無事に戻って来てくれました」
今回の件で心労が絶えないのだろう。ハシリスの顔は、いつもの華やいだ溌剌さが影をひそめ、酷く憔悴して見えた。
「道中、何か変わったことはありませんでしたか?」
「いえ、特には」
ハシリスの問いに、ユウザは即答した。
余計な心配をさせたくないという配慮なのか、言う必要もないと思ったのか、二度にわたる襲撃は“変わったこと”の部類には入らないらしい。
サイファは、是非とも陛下に報告して、ユウザにも警備をつけて貰うべきではないかと思ったが、本人が黙っている事に口を出すのは躊躇われた。
「そなたも、既に承知しているとは思いますが――」
沈鬱な表情で前置きをしてから、ハシリスは今回のアグディルの事件の詳細を語った。
サイファにとっては初耳だったが、隣のユウザの顔には全く動揺の色はなかった。一足先にカレナ城へと戻ったクロエの口から、予め事のあらましを聞いていたようである。
「まずは、アグディルの様子を見に行くと良いでしょう。その後で……」
言いさして、ハシリスは改まったように姿勢を正した。折り入って、そなたに話があります、と。
「承知いたしました」
深く一礼すると、ユウザは暇を告げ、踵を返した。サイファも、慌ててお辞儀をし、彼の後を小走りで追う。
「お前は、来なくても良いぞ」
廊下を歩きながら、ユウザはこちらを振り返りもせずに言った。長旅で疲れたろう? と、気遣う言葉は忘れずに。
「そんな事ない、あたしも行く」
暗に、来るなと言われたような気がしたが、サイファは気づかぬふりをした。それに対して、ユウザは、そうか、とだけ応え、あとは無言で歩き続けた。
こうして、何度、その背中を追いかけただろう。
【つづく】
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はい、ここまで。
いや、もう、これ以上は勘弁して下さい。
ちなみに、次回はシリアス全開のため、ラブコメ要素ゼロです。
なので、作者のテンションもかなり低め&筆が進みません(^^;
更新の目処は未だ全く立っておりませんが、本年も生暖かい目で、さほど期待せずにお待ちいただければ幸いです。
それでは、またお会いしましょう☆
本日のBGM♪
「自分勝手な夜」
LOVE GOES ON・・・ / Dreams Come True